Akinai Garden Studio

~あかるい~部屋

荒々しいコンクリートの壁が透ける白い壁、
”線”としてデザインされた、部屋中を大胆に横断する電気配線。
既存壁を解体した下地の割れ目を、家具のように大きな杉柱で見切る。

解体部も、既存部も、あたらしい壁も、手入れに伴い発生する状態全てを等価な”下地”と捉え、
その下地状態を等しく「あかるく仕上げる」ことをテーマにした、賃貸マンション一室のリノベーションです。

「あかるい」とは、明るく白い部屋という意味と、素材建材に”あかるい(詳しい・ポジティブ)”という意味。

明るく白い部屋というのは、住まい手の要望でもありますが、設計者として世の中に多くある賃貸住宅のベース(白い部屋)でもあり、その均質で「とりあえず白いクロス」という仕上げに対する問いかけでもあります。

素材建材に”あかるい(詳しい・ポジティブ)”ということは、設計者として今ある状態をどのように調理するか、知恵や工夫の見せ所であり、
リノベーションに伴って発生する小さな状況ひとつひとつを、ありそうでなかった個性に引き上げることを目指しました。

DATA

竣工2024.06
所在地神奈川県横浜市
クライアント泰有社
用途住居
設計期間2023.01-2024.04
施工期間2024.05-2024.06
延床面積26.29㎡

CREDIT

施工株式会社稗造
写真倉本あかり