このプロジェクトは、 コ・クリエイティブカンパニーである株式会社XICOのオフィス移転に伴う内装改修工事。オフィス機能の他、自社で運営するアートギャラリーと貸しスタジオを併設した、複合プログラムであることが特徴です。
設計を進める際大切にしていたのは、彼らが重んじる「MEDICIISM(※1)」という取り組みです。多種多様なクリエイターによる共存共栄と共創を目指す活動に、大きな感心を抱きました。
あらゆる文化や学問、専門性を持つクリエイターが集まり、枠組にとらわれない自由な“共創を誘う拠点“としての場はどのようにあるべきだろうか。
全てがオープンでつながる構成ではなく、機能に応じてシンプルに諸室を隔てながらも、「隣が少し覗く」という細やかな気配のつながりを散りばめることから、好奇心を静かに誘うような、導入的空間にできないかと考えました。
ハイサイドライトから見える隣の天井や灯りの様子、隣室の陽の光を取り込むローサイドライト、明るい部屋が覗く限定的な開口部、そして奥に続くウォルナットの壁面。
クライアントの要望でもある凹凸の表情豊かな壁面は、光の柔らかな反射を生み、ギャラリーの緊張感を柔らかくほぐし、親しみある気配を潜ませた、主張していないけど固有性のあるギャラリー空間をつくりだしています。
※1
~以下HPより抜粋~
“ヒーコでは、一億総クリエイター時代を築くクリエイターによる共存共栄の為のギルド運営を通して、時代に合わせて進化していくクリエイター像を模索しています。”
“メディチイズムとは、激動の時代を駆け抜ける新時代のクリエイターとの共存共栄をテーマに、来る第四次産業革命にむけて知恵と経験が交差するメディチエフェクトを現代の形で再現しようという取り組みです。”
竣工 | 2024.12 |
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所在地 | 東京都渋谷区 |
クライアント | 株式会社XICO |
用途 | オフィス+ギャラリー+スタジオ |
設計期間 | 2024.09-2024.11 |
施工期間 | 2024.11-2024.12 |
延床面積 | 257.35㎡ |
施工 | NRWORKS |
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写真 | studio neutral |