都市空間や屋外の使い方の可能性を広げる実証実験において、その仮設的な場をつくる家具は、風景に対して一時的になりがちかもしれません。
実証実験が終わったら、家具と共に人の振る舞いや風景も無くなるのではなく、より日常の延長線上にあった風景として心に残るような場、を考えられないだろうか。
今回は、“その場所からニョキっと生えたような家具が動く“という考え方。仮設的なものでありながら、その場にあるマテリアルから導き出した視覚的デザインで、日常風景にずれを与えるという作法。
家具を置くというより、地面を隆起させて居場所をつくることはできないか、可能性を探りました。
2024年3月に開催された“川崎市屋外空間活用実証実験「カワサキミーツ‼︎!」にて、可動家具を用いた仮設的な屋外空間を提案しました。
YADOKARIによる企画のキーワードである“MEET”とは、“会う“という意味。
屋外空間דMEET”の豊かさは間違いなく、「偶然性が引き起こす、楽しい意外性」でした。
物事に、面白いと思い注意を向ける時、「楽しい意外性」に出会う時、そこには今ある常識や価値観からの“ずれ=新しさ“が伴っているのではないかと考えました。
日常を過ごす中で、疑いもしない風景。
今ある風景を土台にして素材をサンプリングし、違和感のある“ずれ“を与えるようにした可動家具をデザインしました。
地面から隆起したような[ボリューム]と、差し替え可能な[モクタンカン]による組み合わせで、使い方に合わせてカスタマイズ可能な仕様としました。
竣工 | 2024.03 |
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所在地 | 神奈川県川崎市 |
クライアント | 川崎市まちづくり局拠点整備推進室、YADOKARI株式会社 |
用途 | 屋外空間活用実証実験 |
設計期間 | 2023.06-2023.12 |
施工期間 | 2024.01-2024.02 |
施工 | コーケン株式会社 |
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企画・運営 | YADOKARI株式会社 |
グラフィックデザイン | 峯山裕太郎 |
写真 | 加藤甫 |