“絵本は、一番身近なアート”だと言う出版レーベルのYAMAVICO HAUSさん。
この場所は、彼らのオフィスとショップ、ギャラリーが入る小さな複合拠点です。
「銭湯の湯船に入ってるように働いてたら、面白くないですか?」という彼ららしい、ユニークな視点を持った言葉をきっかけに出てきた設計キーワードが、「mosaic(感性・違和感)× park(余白)」でした。
“銭湯”のインテリア的特徴と場所性、2つの単語に分解し再度掛け合わせるようにして、設計を進めました。
mosaic(感性・違和感)は、
“銭湯“から連想されるモザイクタイルインテリアを広義な視点で捉え直し、作品展示やワークショップイベント、働く場所など、あらゆる使い方に応じて空間のモザイク柄や凹凸が変わりゆく、“動くタイルインテリア風景”を想像したところに始まります。
いろんな活動がカモフラージュされながら同居してることも“モザイク“のようであると思いました。
銭湯になぞらえたもう一つのポイントが、共同浴場という生活の一部に根付いた文化であり、敷居低く立ち寄れる身近な場所であるということです。身体と心の余白をつくる役割を担っていることも含め、場所性を“×park(余白)”と捉えなおしました。
「yorimichi」というこの場所のショップコンセプトに親和した点でもあります。
“動くタイルインテリア風景”をつくる什器は“U-GU(遊具)”と名づけ、展示什器や、ポップアップのための屋台、ワークスペースブースなど、楽しく遊び心を持って活用していく仕様をお客さんと相談しながら決めていきました。
日々変化する使い方とともに動かされるU-GUがどんな風景を見せてくれるのか、家具を超えて風景になるという、建築とインテリアの間の可能性に期待したいと思います。
竣工 | 2023.06 |
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所在地 | 神奈川県横浜市 |
クライアント | 株式会社横浜アニメーションラボ |
用途 | 物販店舗 |
設計期間 | 2022.10-2023.04 |
施工期間 | 2023.04-2023.06 |
延床面積 | 40.60㎡ |
施工 | 株式会社ルーヴィス |
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写真 | 倉本あかり |
天板塗装 | 中村塗装工業所 |
銭湯絵 | 権田直博 |